メンバーカラーのおはなし。
突然ですが、私はメンバーカラー制度が少し苦手です。
私のジャニーズの入り口はKinKi Kidsですがメンバーカラーを意識したことがなかったし、メンバーカラーではなくグループカラーを基本にしているK-popの世界*1に長らくいたので、NEWSファンの人たちが担当のメンバーカラーを意識した服装をしていることがわりと衝撃的でした。
どうして私がメンバーカラーに苦手意識を持っているかというと、ますださんのメンバーカラーが黄色なのに、私はもともと紫ラバーだから。
洋服はそこまで紫じゃないかもしれないけど*2、小物は特に紫のものが多くて、少し赤に寄って赤紫やピンクになったり、青に寄って青紫や水色になることはあっても、黄色に行くことはほとんどないので、コンサートに行く時に何色の服を着ていくか、何色のものを持っていくか、毎回迷っていました。
もちろんメンバーカラーを身につける義務なんてないので好きなものを選べばいいとは思うんですが、ファンもメンバーも、担当のメンバーカラーを身につけていると思っているであろう場所に、担当じゃないメンバーのカラーを身につけて行くのも何だかなぁと思ってしまうし、かと言って、わざわざ黄色のものを揃えたりする素直さも持ち合わせていなかったりして…。
メンバー本人たちもメンバーカラーの呪縛に悩まされることがあるようで、シゲが緑のものをプライベートで使うのが恥ずかしいと言っていたり*3私服で黄色いカーディガンを着ていたことを「まっすーのファン」とネタにされていたり*4、ますださんも「黄色恐怖症」になってカラーチェンジを提案したことがあると話していた*5ことがありました。
しかし、そんなふうにメンバーカラーに翻弄されていた私は、Hey! Say! JUMPのコンサートに行ってまた別の衝撃を受けたのでした。
「JUMP担ってあんまりメンバーカラーを意識していない…!?」
私がそう感じた要因が、9人という人数ゆえにカラーがバラけていて分かりにくかっただけなのか、メンバーカラーがあまり定着していないからなのか定かではありませんが、メンバーカラーについて、もっと考えるきっかけになりました。
というわけで、今回はメンバーカラーのおはなしです。
多くのジャニーズグループにはメンバーカラーがありますが、デビューする時にメンバーカラーが決まっていたのかというと、そうではありません。では、いつ、どうやって、どうして決めているのか、考えてみたいと思います。
▼メンバーカラーはなぜ決めるのか
なぜメンバーカラーが必要なのか。メンバーカラーが決まっていると、どんな良い部分があるのか。
- グッズが作りやすい
- 衣装やコンセプトが決めやすい
- マイクなどの見分けがつきやすい
- 大きな会場でもメンバーの見分けがつきやすい
- メンバーから誰のファンか分かりやすい
- ファンがメンバーカラーを身につけること自体が文化になっている
まず、色にメンバーの意味を持たせることで、色が1つの商品になり得ます。たとえばNEWSのアニバコンで配られた4色のラバーバンド。あれは4人のメンバーカラーが決まっているからこそ意味がある4色のラバーバンドなのであって、メンバーカラーが決まっていなければただのカラーバンドになってしまいます。
次に、コンサートやテレビ出演、雑誌の撮影などをする時に、メンバーとスタッフの間に共通の色認識があると物事が進めやすいのではないかということです。小道具の色を決めやすい、テロップの文字の色を決めやすい、どれが誰の小道具か一目で分かりやすい、スタッフにメンバーを認識してもらいやすい(覚えてもらいやすい)など。
そしてメンバーとファンの間でも共通の色認識があると、パッと見ただけでお互い分かりやすいです。NEWS…特に小山さんは、メンバーカラーを着ているファンに対する発言もしますので、NEWSファンがメンバーカラーを意識した服装でアピールしたくなるのも当然だと思います。
メンバー本人へのアピールでなくても、メンバーカラーを身につけるということ自体が「楽しみ」や「文化」になっているというのもありますし、他にも、そのグループを知らない人に自分の好きなメンバーを教える時に、たとえば、「黄色の子だよ!」と言ったら認識してもらいやすいなど、利点はたくさんありそうです。
▼メンバーカラーはどうやって決めるのか
考えられるパターンは以下の4つ。
- メンバーが決める
- 事務所側が決める
- ファンが決める
- 衣装などから自然に定着していく
NEWSの場合はメンバーが自分たちでカラーを選んだと分かるエピソードがあって、時々語られています。最近のラジオ*6でもコヤシゲがこんな話をしていました。
加藤「もう消去法というかさ、俺らめっちゃ気使って最後だったじゃん」
小山「そう、僕たちは選んでないからね」
加藤「選んでないの。残ったのでどれがいいですかってなって、じゃあ似合うやつ勝手に決めて、だったから、緑になっちゃったし、最初オレンジみたいなやつだったじゃん」
小山「俺オレンジ…オレンジっていうか橙っていうか、まぁそうだね」
加藤「今やり直したら絶対違うメンバーカラーだよね」
小山「そう、だね」
加藤「何色がいい?」
小山「僕?紫!」
加藤「あーまぁそうか。自分で紫に変えたのか」
コヤシゲは好きな色が選べなかった話をしていましたが、ますださんは自分で好きな黄色を選んだようですので、山下くん、錦戸くんが赤、青を選び*7、ますださんが黄色を選び、あとの3人で残りの色から決めたのではないかと思います*8。ちなみにこの「選んだ」というのは、何もない状態から選んだというわけではなく、衣装の色から選んだのかなと。つまり6種類の色の衣装がすでに決まっていて、その中から選んだのではないかと思いますので、メンバーが決めたとはいえ、事務所側が決めたという側面もあり、衣装から定着したという側面もあると言えます。
グループによってはメンバーカラーを決める時にファンの意見を取り入れた例もあるようですが、基本的には、本人の意見も聞きつつ事務所側が決めた色が、衣装やグッズなどで定着していくパターンなのかなと思います。
▼メンバーカラーはいつ決めるのか
前述の、NEWSメンバーが色を選んだ衣装というのが、2007-2008年のpacificコンの衣装ではないかと思います。
そのあと2008年に発売された『color』のジャケットにもそのメンバーカラーが使用されていますので、だいたいその頃にはNEWSのメンバーカラーが定着しつつありますが、小山さんはオレンジと紫、どちらの色の衣装も使用していました。2009年に小山さん自身が自分のメンバーカラーを「紫」と回答している*9ので、小山さんは最初(pacificの衣装を決めた時)の段階で紫を選びたかったが、その時に紫の衣装がなかったのでオレンジになってしまったと予想できます。
NEWSのデビューは2003年ですから、メンバーカラーが定着してくるのはデビューしてからすぐではなく、ある程度時間が経ってからのようです。私の仮説ですが、メンバーカラーが決まる(定着してくる)時期というのは、グループの方向性、メンバーのキャラクターがはっきりしてきて、事務所側としても「売り出すぞ!」という頃なのではないでしょうか。
NEWSにとっての2007年は6人体制での再始動、そして『weeeek』の発売年。偶然かもしれませんが、『weeeek』はデビュー曲以降でいちばん売れているヒット曲です。
そして私が最近興味深く思っているのは、Hey! Say! JUMPのメンバーカラーに対する方針の変化ともいえる動き。
Hey! Say! JUMPは2007年にデビューしましたが、現在多くの人に認識されているであろうメンバーカラーが使われ出したのは、2013年です。それまでは固定のメンバーカラーは決まっていませんでした。というより、メンバーの意向としてはメンバーカラーを決めたくなかったようで、2010年の座談会*10では「メンバーカラーはない」「決めたくない」とはっきり言及しています。
そんな彼らが今年のツアー*11では「メンバーカラーが固定してきた」という発言もしていて、きっとこれからもこのメンバーカラーでやっていくのだろうと思うと、とてつもない「事務所の推し」を感じます。やはり、グループを売り出す時にメンバーカラーを決めておくことは、事務所にとって重要なことだと思いますので。
…ちなみに私がJUMPの中でたかきくんを好きになったのは、たかきくんのメンバーカラーが紫だからというわけではないので悪しからず(笑)
冒頭で苦手だと言ったメンバーカラーですが、ますださんと黄色、似合っていて好きです。たかきくんと紫も好きです。私自身も上手に付き合っていきたいと思います!
*1:グループカラーの風船を持って応援するのが伝統的な応援方法。今は風船じゃなくペンライトだったり、メンバーカラーがあるグループもある。
*2:と思ったら、今まさに紫のスキニーを履いていました。
*3:2012年6月10日放送『SORASHIGE BOOK』
*4:2015年6月7日『White』広島公演MC
*5:2014年9月5日放送『増田貴久MASTER HITS』
*6:2015年3月10日放送『KちゃんNEWS』
*7:選んだというより、彼らが赤青なのは暗黙の了解だったのかもしれません。
*8:手越さんに関しては特に何も聞いたことがないですが、メンバー内で年下、後輩のため、先に決めたということはないと思われます。
*9:メンバー愛 500回記念@J-web
*10:FC会報No.6に掲載
*11:2015年7月25日『JUMPing CARnival』宮城公演